2017年7月8日土曜日

染織を学ぶ者にとって、なぜ祇園祭は大切なのでしょうか?

祇園祭レクチャーがいよいよ迫ってきました。

祇園祭はなぜ染織を学ぶものにとって重要なのでしょうか?今日は祇園祭について少しお話ししたいと思います。

祇園祭は動く美術館と言われています。それは鉾や山の山車(だし)の価値もさることながら、見送りや前掛に使用されている絨毯(懸装幕)が世界でももうここにしか残っていないというものがあるためです。今から300年前に織られた絨毯が、修復を繰り返しながらもほぼ完全な状態で祭りに使われています。中でも北観音山に掛かっている絨毯は、同じ文様の絨毯が17世紀のオランダ絵画によく出てくるものにそっくりです。日本でも人気のフェルメールの「水差しを持つ女」に描かれているテーブル掛けは長刀鉾に伝わる絨毯に似ています。しかしヨーロッパではすでに失われ、世界を探しても実物はここにしか残っていません。他にも放下鉾、油天神山など30枚以上のオリエント地域で織られた貴重な絨毯が使われています。

今回のレクチャーで、その貴重な懸装幕について学んでください。

レクチャー後にはレクチャーに出てきた鉾や山に実物を探しに、会所(装飾品や懸装幕を展示しているところ)に出かけてはいかがでしょうか。

その時はぜひご自分で染めた浴衣や帯を身に纏い散策を楽しんでください。


通信染織研究室






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【山鉾マップ】






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